アクセントとしての古材

クロスの縦棒が錆鉄

横棒がマホガニーにワックス

土台が企業秘密の必殺技

もちろん木です

黒檀じゃないよ



この黒

やっと出せるようになってきた


これは今作ってる船もそうだけどいろんなモノに使える

小屋とかは今のところ思いつかないけど、
重厚感を出したい時にいい仕事をしてくれる


先日とある知り合いに、古材に縛られるあまり逆に見えなくなっていることが
多かったと話したら、その感覚はすごく分かると盛り上がった

古材というのはその存在が既にいいので
どうしてもあまり加工したくなかったりする

するとその古材の形が生かされる事にはなるが、果たしてそれは思い込みなのでは?
と思うことが増えてきた

増えてきたというより、古材の見せ方をあれこれしているうちに気が付いた

古材の作家という肩書きも相まって、古材に縛られすぎていたらしい

もっと良いものを作るにはそこを飛び越える必要があったのだ


つまり、古材というのはおじいちゃんのようなテクスチャが魅力であって
それと共有出来るテクスチャ、もしくはもっと引き上げてくれる何か
をもっと見つけていけば自ずと良い方向に向かうのでは?

 
この黒い加工もその一つ

古材でもないし古いものは使ってない

昔だったら土台は絶対古い木を使ってたはず

そうすると全体が古いものの集合体なのでボヤける

これが見えていなかった古材の呪縛ってやつ


全部古材を使わなきゃ、、、、って、、



だから今の自分にとってこの作品はいいものなのです

 

流木だってトタンだってたまたまいい表情してたから使ってみたのであって
自分で何かしらいい表情を作れるので有ればそれは古材じゃなくても
全然いい


と、思うようになったのです


その分、古材はアクセントとして今まで以上の力を発揮してくれるのです

あゝ、人生はなんと奥深いものか